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7.82018
隣の芝生はなぜ青く見えるのか?
転職を希望している方や、就活生の悩みを聴いたり、行動する姿を見ていると、多くの人が「隣の芝生が青い」と感じて、自分の置かれている就業環境を嘆いたり、自分はダメなんだと、自信を失って苦悩してるように感じます。
「まわりの皆が、自分よりもよく見える…」
転職希望者を例にとると、一旦転職に意識が向いてしまうと同業他社や他の業界は環境や賃金、福利厚生が今よりも素晴らしく、そこで働く人の姿もイキイキしているように思えてしまい、仕事が物凄く苦痛に感じて転職への決意を高めていく、そんな傾向にあるようです。
そして就活生は、周りの友人たちは、エントリーシートも高評価で、採用面接の予定も入り、内定が出始めると、皆がどんどんと先に進んでいく姿を目にすることで、うらやましい気持ちと同時に、焦りやプレッシャーも強く感じて、気持ちが沈み込んでしまうようです。
確かに、周りを見渡してみると、なんとなく皆が自分よりも幸せそうで、毎日が充実しているように思えて、いわゆる「隣の芝生が青く」見えて仕方がない、そんな気持ちになって叫びだしたくなることがあります。
「隣の芝生が青く見えるのは、当たり前のこと」
これは結論からいうと、人間心理が持つ「社会的比較のなかの上方比較」という本能ですので、ある意味では、人が社会生活を送るうえで仕方がないことなのです。
「社会的比較」とは、人が他者と自分を比較することで、自分の事を評価したい心理的欲求のことです。
社会生活に適応して生活していくために、自分の持つ能力や置かれている立場の妥当性や正当性を、どうしても評価したくなるのです。
そして、「上方比較」とは、自分自身よりも望ましい環境にいる人と、自分を比較する心理です。
上方比較には、ポジティブな面とネガティブな面があります。ポジティブな面が前に出ると、望ましい環境にいる人のことを成功モデルとして意識することで、自分自身を向上させるエネルギーや動機に繋がります。
しかし、ネガティブな面が前に出ると、自分自身の不完全さを認識させられて意気消沈したり、焦りやプレッシャーを感じてることで、心の中はマイナスの感情に支配されていきます。
転職希望者が「隣の芝生が青い」と感じ転職活動を行う背景には、この上方比較のポジティブな心理に突き動かされ、転職することで自分自身の置かれている立場や環境を向上させたいという、無意識の心理が働いています。
逆に、就活生が周りをみて焦ったり、プレッシャーを感じて意気消沈してしまうのは上方比較のネガティブな面に支配され、自分自身の不完全さに対して意識が向いてしまう為に、自然とマイナスの感情に支配されてしまうからです。
ここで伝えたいことは、人間が「隣の芝生を青く感じる」のは当たり前のことなのです。
「当たり前を理解できると、心に余裕が生まれる」
当たり前のことについて、自分の反応をポジティブに感じ取れれば良いのですが、ネガティブな意識に支配され周りと自分を比較してダメな人間だと思ったり、気持ちを乱して就活に影響が出たりすることは、もったいないと思います。
「隣の芝生が青い」と感じ、自分の気持ちがマイナスな感情に絡めとられそうになった時、これは人間が持つ本能だから仕方ないんだな。と少しでも思えることができれば、そこから心に少しでも余裕が生まれ気持ちを切り替えるキッカケにすることができるかもしれません。原因と仕組みを知っておくのと、知らないのでは大きな違いが生まれます。
特に就職活動に苦戦して、心に余裕がなくなってきたなと感じる就活生の皆さんには、覚えておいてほしい知識です。 心に余裕がないと上手くいくものも、なぜかダメになってしまうものだからです。