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福岡県南部地域の人不足・人余りから採用を考える

ハローワークが発表している、福岡県南部地域(大牟田・久留米・八女・朝倉管轄内)の8月度の雇用情報を基に、筑後地域での人不足が顕著な業種と、人余りが目立つ業種を今回は分析してみます。


【福岡県南部の有効求人倍率は、1.49倍】

有効求人倍率は、有効求人数を有効求職者数で割ることで求めることが出来ます。 南部地域の8月度の有効求職者数は14,164人で、有効求人数は21,160人です。数字だけで見ると、21,160人の募集があるのに対して、仕事を探している人は14,164人と6,996人、約7千人の人手が不足しています。

実際に、有効求人数÷有効求職者数をしてみると、結果は1.49倍になります。

しかし、ここに出ている数字は、あくまでもハローワークを利用して、求職活動や求人をしている数になるので、タウンワークやインディードなどを使って募集をしている求人や、ハローワークを利用せずに求職活動を行っている人は入っていないことは理解しておいてください。

では、具体的に職業別の有効求人数、有効求職者数を調べながら、人不足の職業と人余りの職業を調べていきましょう。

【商品販売の職業は5.1倍、建築土木は4.63倍。逆に一般事務は0.33倍…】

結果を調べてみると大方の予想通り、販売・接客・建築に関する求人は軒並み3倍を超える有効求人倍率になっています。介護サービス、運送も2.5倍前後と高い状況にあります。

ここから見えてくることは、福岡県南部地域でも、全国と同様に人手不足感の強い職業については、同様に厳しい状況にあるということです。

逆に、一般事務については有効求人倍率は0.33倍と、一つの仕事に3人の応募があっていることを意味しています。一般事務を志望している方については、世の中、人手不足と言われていても一般事務は、買い手市場で企業が主導権を持っていることを理解した上で求職活動を行うべきでしょう。

しかし、大部分の人手不足の職業にとって、解決策はないのでしょうか。

【業務の細分化を図り、人余り業種の求職者採用にチャレンジする】

多くの企業様から、人手不足の解決法についての相談を受けますが、正直に申し上げると抜本的な解決方法はありません。人口が減少している、高齢化が進んでいる現在においては、今後より一層厳しい状況に陥ることは、残念ながら覚悟しておくべきでしょう。

但し、いくつかの業種によっては、取り入れることが出来る改善策がない訳でもないと考えます。それは、一般事務以外にも実は「その他の運搬等の職業」については、未だに仕事数を、働きたい人が大きく上回っているという点です。その他運搬等の職業というのは、商品選別やピッキング作業、工場内での軽作業を希望している求職者の方達です。

ちなみに数字としてみると、フルタイム勤務で有効求人倍率は0.30倍、パート勤務で0.43倍という数字になっていますので、一つの仕事に2人~3人の応募が期待できるということです。

この求職者の方々に働いてもらえる業務を切り分けて、社員の負荷を減らす。このことが肝になってくると考えられます。例えば、小売店であれば商品の検品・補充・陳列・事務的な処理を社員から切り分けてしまうイメージになります。

最近、この様な話を企業様で差し上げたところ、端から難しいとの返事をいただきました。賃金や就業条件を向上させることは難しい、小さい子どもさんがいると急な休みがあるから難しい、業務を切り分けることも手間がかかるから難しい…。結局のところ、自社の都合のよい様に働いてくれる人が欲しいだけの話で会社としての努力をするつもりもなさそうでしたので、丁重にお断りを差し上げました。

残念ながら福岡県南部地域の労働力人口は、これから更に現象の一途を辿ります。取り組み始める際に最も大切なことは「時間」です。早期に本気で取り組んだ企業のみが生き残るチャンスを得る、そんな労働市場にあることを覚悟しておくべきではないでしょうか。

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