ブログ

外国人労働者に期待しすぎない

外国人労働者の受け入れについて、多数のメディアで連日報道されています。

実際にどのような制度になるのか「出入国管理 及び 難民認定法 及び 法務省設置法の一部を改正する法律案の骨子」という官邸発表のpdf資料に目を通してみましたが、具体的な内容が全く記載されていませんので、現時点では大枠を掴むことしか出来ません。

しかし、国としては2019年度からスタートさせる意向です。残された期間は半年ありません。一部の企業においては、日本人採用に苦戦していることもあり、外国人労働者の受入れを検討し始めた先もあるやもしれませんが、今の時点で技能実習生の受入れ実績がない企業については、当初からの受入れは外部要因から難しいと判断します。その理由について述べていきます。


【 外国人労働者の受入れ計画 】

国としては初年度(2019年度)に最大で、4万7千人の受入れを予定している模様です。4万7千人という数字だけを見ると感覚的には、ものすごく大勢の人達に思えますが、単純計算すれば47都道府県で各県1,000人。実際は関東や関西、東海地方などの割合が高くなるとは思いますが、この数字を多いとみるのか少ないとみるのか、そこは意見が分かれる部分でしょう。

同時に、観光をしに来る人々ではありませんので、平日の昼間に街中をブラブラして何をしているのか分からない外国人が増えるイメージは間違っています。土・日であれば「最近、外国の人増えたよね。」程度の会話はあるかもしれませんが、コンビニを含め店員の大部分が外国人というサービス業は多いので、表面的には今までと変わらぬ日常を過ごしている間に、国内の外国人比率が高まっていくことになるのではないでしょうか。

【 なぜ当初は大企業が中心で、中小は人手不足のままなのか 】

国としては、スタートと同時に「低賃金・長時間労働・パワハラ等の不当な取り扱い」など、批判を受けるような問題が発生するのは、参院選も控えているので是が非でも避けたいはずです。

そこから考えられることは、当初、外国人労働者を受け入れることが出来る企業は、いままでの実績があり問題のない企業、もしくは給与・労働時間管理・住居を含めた福利厚生に至るまで、しっかりとした対応がとれる大手企業が中心になるはずです。

実際に、改正案骨子の内容を確認すると

【受入れ期間に関する規定の整備】
特定技能外国人の報酬額が日本人と同等以上であることなどを確保するため、特定技能外国人と受入れ機関との間の雇用契約は、所要の基準に適合することを求める。
(2) ①雇用契約の適正な履行や②支援計画の適正な実施が 確保されるための所要の基準に適合することを求める。

との、記載があります。

さすがに、技能実習生は労働者ではないから、最低賃金は関係ないとばかりに働かせるブラックな零細企業の「人手不足の解消 + 人件費の削減」に、外国人技能実習生を利用するという手法は、国として厳しく管理するはずです。

これらの点を踏まえると、この法改正の施行後しばらくの期間は、あくまで大企業にとっての人手不足の解消策であり、外国人労働者を新たに雇い入れたい企業にとっての解決策にはなり得ないと考えます。であれば、人手不足に悩む企業にとって大切なことは、いまいちど採用計画の練り直しを行うことです。

ひとこと
【お金も愛情も人材も、心から集めたいという人に集まってくる。そしてそれを大切にしてくれる人のところに集まる】…松下幸之助。

 

関連記事

ページ上部へ戻る