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12.162018
転職が多い人の為の天職講座
ときどき転職回数が、ものすごく多い方にお会いすることがあります。今まで、最も転職回数が多かった方は40代で30回を超えていました。
しかし、若い時はそんな生活でも良かったものの歳を重ねるにしたがって、やはり一か所で落ち着いて仕事をしたいと考えるようになってきた…でも何をしていいのか分からない、という相談や、この仕事は自分に合いそうと思い実際にやってみたものの、何か違うと転職を重ね未だにこれだと思える仕事に巡り合えていない、そんな相談を受けることも多いものです。
このように自分が何の仕事をしたいのか迷っている方に、確率論を元にした仕事選びのコツをご説明させて頂きます。
【 天職にいつ出会うのか? 】
目次
まず人は一生のうちに、人はどれくらいの仕事に就くことが出来るのでしょう。
1日だけのアルバイトや1週間限定の作業などを除いて、私がお会いした方は40代で30回を超える転職回数だったので、仮に一生のうちに就くことができる仕事をここでは「50」としてみます。でも、50番目の仕事が自分の思い描く理想とピッタリだったとしても、残念ながらちょっと遅いですね。歳を重ね周りの多くの人が定年を迎えるころ、やっと天職に就けたとしても、嬉しいという喜びより、それまでに失った時間に対する後悔の念の方が強くなるのではないでしょうか。では、どうすればいいのでしょう。
【 最適停止理論を基に転職・就職を考える 】
例えば、転職10社以内で自分が最もよいと思える仕事に就きたいと考えている人がいるとします。
その場合4社目までの仕事は、経験する場と割り切って、その仕事の良い点・悪い点を自分なりに整理します。次に、経験した4社で最も自分にとって合っていると感じた仕事を1つ選びます。その際も何が自分に合っていたのか、他の仕事と比較してどこに魅力があったのか把握しておくことが大切です。その後、5社目、6社目と経験をしていく中で、4社目までで最もよかったと感じた仕事と比較して、より自分に合っていると感じた仕事があれば、その仕事が天職になる確率が高いです。
他にも、30歳までには落ち着いて仕事をしたいと考えている22歳になったばかりのフリーターの方がいるとします。
このフリーターさんが、天職に巡り合う為には25歳の誕生日をを迎えるまでに就く仕事は、上記と同じ様に経験を積む場として割り切って仕事をします。そして25歳になるまでに就いた仕事の中でベストを選んで、同様に25歳以降に働く職場でベストを超える仕事に出会えたら、その仕事に全力を傾けて頑張ってみましょう。
上記の2つの例で大切なことは、経験と割り切った仕事の中のベストを超える職に出会えたら、もう迷わないことです。例えば26歳のときに出会った仕事が今までの中でベストだと感じたにも係わらず、30歳までにあと4年あるからと、また転職を繰り返してしまうと結局30歳になった時にも、まだ迷い続けていることにもなりかねません。
【 自分に置き換えて計算してみる 】
では、自分に置き換えた時にどのように計算すればよいのでしょう。
例えば転職の上限を決めて、自分のベストとなる仕事を探したい人は…
「転職回数の上限」× 0.37 = 経験と割り切ってしまう転職回数です。
20回くらいの転職で一生の仕事を決めたいと考えるならば、20×0.37=7.4社になりますので、7社目までの最良の職場を超える、8社目以降の仕事を選ぶと上手くいく確率は高まります。
次に、落ち着きたい年齢を決めて自分の天職を探したい人は…
(「落ち着きたい年齢」ー「現在の年齢」)× 0.37 = 無条件に見送る期間です。
例えば、現在21歳で25歳までには落ち着こうと考えている人ならば、(25-21)×0.37=1.48年(1年6カ月弱)になりますので、22歳と6カ月までは割り切って色々な仕事を経験してみて、その月を過ぎたら、自分にとっての天職を真剣に選ぶとよいでしょう。
【 経験を積むことと、適当は全く違う 】
「最適停止理論」を基に数学的に考えると、この方法を使うことで自分にとっての天職に出会える確率は最大になります。
しかし、どれだけ経験と割り切っていたとしても、その時に就いている仕事を適当にやって良い訳ではありません。ここは天職を探すための経験の場と心の中では思っていたとしても職務に真剣に向き合わないと、本当の意味で、その仕事の良い点・悪い点・面白い点・面白くない点は見えてきません。
経験を積んでるからを言い訳にしていると、本気で仕事を選ぼうとしたときに、自分自身の中に天職を見極める目が育っていません。すると見た目の就業条件の派手さに目がくらみブラックな職場に入ることになったり、この仕事が天職であると思い数年頑張ったもののやっぱり違っていたと、手遅れになってから後悔することになるかもしれません。
天職に出会うための確率の導き出すことはできますが、適当に過ごしたことをフォローする数学的な解決策はありません。その点はご理解ください。
【 確率は絶対ではないからこそ… 】
ときどき「確率が高い=絶対」であると勘違いされる方がいらっしゃいます。
自分にとっての天職に出会えたと思ったが、割り切って経験を積む期間内だったから退職をして、その後に良い職場に出会えていないとならないように、高い確率の背後には低い確率が隠れていることを忘れないでください。周りから見ると、なんでそんな職場で仕事をしているのか聞いてみたくなるような時でも、本人は意外に楽しく仕事をしていたりする場合があるように、仕事と人の関係性は数学だけで割り切れるほど単純ではありません。
これまで述べてきた方法は、あくまで一つの手段と考え、逆にこの仕事だ…と心にピンとくるものがあった時には、その選択肢を本能に従って選ぶことが、素晴らしい結果に繋がる確率もあるのです。だからこそ天職に悩む人にこそ、真剣に仕事について考えてほしいと思っています。