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8.52019
2019年 最低賃金改定からパート社員採用を考える
昨年 “福岡県と佐賀県の最低賃金の差から考える” という題で書いた記事が、おかげさまで好評いただいたこともあり、思いのほか多くの企業から社員採用に関するご相談をお受けすることになりました。
先日7月31日には中央最低賃金審議会で、令和元年の最低賃金額改定に伴う答申が発表されました。答申内容のままに進むのであれば早い県では、あとたった2カ月(10月)で最低賃金が引き上げられる予定です。
九州で経営をしている多くの中小企業にとっては、最低賃金UP(経費増)と消費税UP(売上減)が同じタイミングで起きますので、厳しい経営の舵取りが求められることになりそうです。 この最低賃金が改定される前後で中小零細企業のパート社員採用では何をしなければならないのか、今回はその点について書いてみます。
| パート社員の採用が必要な企業は急いで…そして待つ
労働集約型の企業でパート社員の方が貴重な戦力となっている企業で、パート社員の方の採用を考えている企業の場合は、
1. お盆明けから9月末まで
2. 11月から年末まで
この2つの期間に分けて採用活動を行うように、弊社のお取引先様には提言させて頂いています。
その理由を簡単に説明してみますと、年間を通じて仕事探しには活況な時期と低調な時期の波があります。 例年7月から8月のお盆が終わるまでは低調な時期でもあり、パートの仕事探しが活発になってくるのはお盆明けから9月後半にかけての時期になります。この記事を書いている8月上旬に企業が採用に対してやらなければならないことは、お盆明けからの採用計画を考えて準備を整えておくことです。
※ お盆期間中に求人媒体を利用すると、普段よりも安く長期間掲載ができるという宣伝文句に引っかかって掲載する企業も多いのですが、あれは求人媒体を運営している企業がお盆休みを取るための仕組みなのでお勧めはしません。
また9月末までの採用計画を立案する際に大切なことは、パート社員の方を採用する際、本来であれば他社よりも魅力的な時間給や就業条件を設定するべきなのですが、経営上どうしても最低賃金に近い金額に張り付かざるを得ない企業であれば、答申されている最低賃金改定後の時間給をベースにして就業条件を整備してから募集を行うことです。 福岡県であれば840円、佐賀県788円、その他九州であれば788円が目安になります。
この理由としては、最低賃金で募集をかけざるを得ない業種は似通っています。 その業種で仕事をしてもいいと思ってくれる方に対して、最低賃金で募集を行っている他社よりも少しでも魅力があるように感じてもらう為にも、改定後の最低賃金を基本として勤務時間なども含めて設定して求人をすることが大切になります。 逆に最低賃金が改定されるまでの数カ月間の時間給すらも経営的に厳しく改定されるまではパート社員の方に1円も多く払いたくないということであれば、事業の在り方そのものを見直さなければならない時期なのかもしれません。
| なぜ一旦、求人をストップして待つのか?
今年、2019年に限っていえば最低賃金改定と同じタイミングで起きる大きな出来事として消費税が8%から10%になります。
2%の差ではありますが家計にとっては、確実にマイナスの影響が出るはずです。 現在パートとして働いている多くの方にとって最低賃金が上がって軽減税率があったとしても、出費も増える計算になりますので、消費税が改定され1カ月もすると『もっと割の良いパートに転職した方がいいかな。』と考え始める方が徐々に出てきます。 そのタイミングが早い人で11月中旬くらいからではないかと試算します。
今のパート先では仕方なく働いているだけ…もっと働きやすい職場があれば転職したい。そんな気持ちを持っている方に向けて求人を計画し、いきなりだと今の会社にも迷惑がかかるからという点にも配慮をして12月末から1月まで勤務してもらって、2020年前半に自社に入社してもらう。このような導線を考えて採用するのも一つの方法です。
このように採用計画を立案する時に大切なことは、先々の社会情勢の変化をイメージしながら計画を立てていくことです。
例えば2020年最大のイベントといえば東京オリンピックですが、オリンピックのあとには景気が減速するとの意見が多く見受けられます。もし実際に不景気になった場合、求人市場は就職氷河期やリーマンショック後のような企業にとっての買い手市場になるのか、それとも人口減少や働く人たちの意識の変化によって更に売り手市場となってしまうのか…そのような社会情勢の変化を考えながら採用を行っていかなければ、中小零細企業にとっては、いつまで経っても採用はできず事業縮小、廃業という最悪のケースもあり得る時代なのかもしれません。
| 中小零細企業こそインターネットを活用する
九州一円の多くの企業・自営業のお客様とお付き合いをさせて頂いていると、本来であれば中小零細企業こそ真っ先に取り組まなければいけないはずのインターネットを利用したサービスが活用できていないことに愕然とすることがあります。 例えば『人が採用できない…仕事が回すことができない』と仰られる採用担当の方が、Google が1月末から日本国内でもサービスを始めた Google しごと検索の存在を知らない。『集客するための広告費負担が大きい…』と悩んである飲食店のオーナー様が、Google マイビジネスの存在を知らない等、枚挙に暇がありません。
これら2つのサービスは基本無料で利用することができ、一定の効果が期待できるものです。 他にもインターネットを利用した様々なサービスが世の中には溢れています。 それら多くのサービスが持つメリットの一つに費用が安いことがあげられます。
“最低賃金改定による経費増 + 消費税改定による売り上げ減 + 採用難”と、中小零細企業を取り巻く環境は厳しさを増してきますが、まだインターネットサービスは利用できてないんだよね、という企業であれば、まだ選択肢は残っています。 九州の多くの企業が似たり寄ったりの状況です。 逆にそんな状況だからこそ早めに自社の問題解決にあったサービスを使うことができれば効果が期待できます。 厳しい状況下で経営を継続していく為にも、ぜひ早めに取り組み始められることを期待しています。
自社でのサービス選択や、計画立案に不安がある…そんな九州の企業様であれば、一度CIENSの無料相談をご利用ください。お電話でのお問い合わせはこちら
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