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組織における権力の危険性を理解する

日大アメフト部の悪質なタックルから発生した問題、日本ボクシング連盟の内部告発からメディアを騒がした一連の流れ、そして最近では日本体操協会のパワハラに関する問題と、アマチュアスポーツ組織内部における事柄が、メディアをはじめとして世間を賑わしていた、2018年の春先から夏にかけてでした。

人事や組織の構築を含めて、一般の企業にも参考になる事例が様々に読み解くことができる一連の流れですので、今回はメディアの報道からも垣間見える「権力」について記してみたいと思います。


まず権力という言葉の意味を調べて見ると「他人を支配し、服従させる力。支配者が(組織・富・武力などを背景として)被支配者に加える強制力。」とインターネット上で出てきます。

上記した3つの事例でも、監督、会長、強化本部長と、パッと見た雰囲気としては、押しの強そうな印象を受ける主要な登場人物がいたことからも、マスコミを含めたメディアにとっての格好のネタとなりましたし、ワザとやっているかのごとき悪手の連発が更に火にガソリンをくべることになったとは思われます。

ただ、彼らが本当に理解をしておかなければいけなかったことは、自分たちが持っている権力というものの実像と、その権力が引き起こす勘違いが、結果としては組織にとって致命的なダメージを与える危険を孕んでいたということです。

詳しく述べると、部の監督・連盟の会長や強化本部長と言ったところで、そのスポーツに関係ない大多数の一般人からすると、何の権力でありません。だからメディアとしても恐くないので、面白おかしく取り上げやすいということです。

これらのことから、権力については一つのルールを示すことが出来ます。それは

「全ての場合において、権力には誇示できる範囲があり、その範囲を超えて権力を行使することは出来ない。」という単純なものです。そして困ったことに、このルールを理解せぬままに権力を持った者は、自分は偉いと勘違いをしてしまうことが多いということです。自分自身を偉いと信じているから、自らの立場についての危険性を感じたり、軽んじられていると思ったときに、周りから見れば頓珍漢な反応を見せてしまうという事です。

今回、問題となった日大監督をはじめとした記者発表時の日大関係者しかり、ボクシング連盟の会長しかり、自分たちが持つ権力の範囲がどこまであるのかを理解できぬままに、範囲外にまで権力を行使できるかのごとき勘違いをしてしまったが為に、事態の収拾に失敗したというのが、ひとつ側面にあると思われます。


会社や組織においては、ポジションごとに様々な権力が発生します。先輩と後輩、上司と部下、会社と会社のビジネス。組織のトップだけでなく、何らかの権力を手にしたときに、自分が持つ権力がどこまでの範囲なのかを正確に理解したうえで行動しなければ、その行動は回りまわって自ら痛い目に合う危険性が高まることを理解しておくべきです。

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